春疾風 四月の銘
春疾風(はるはやて)
春疾風は、春に日本海側を西から東へと通過する低気圧に伴って吹く南寄りの風のことで、俳句の季語のひとつにもなっています。
ちょっとびっくりするような強さで春の訪れを教えてくれる南寄りの風が、「春一番」。春一番が吹いたあとも、強めの南寄りの風は何度か吹きます。 このような風は全部ひっくるめて「春疾風(はるはやて)」と呼んでいます。
気象予報士の今井明子さんの暦生活によると、この春疾風をもたらす低気圧は侮れないらしく、ときには「爆弾低気圧」と呼ばれるほど発達することもあるそうです。 爆弾低気圧とは、中心の気圧が急激に低下する温帯低気圧のことだそうで、天気図を見ると、爆弾低気圧の等圧線はグルグルと混みあっています。等圧線が狭ければ狭いほど風は強く吹くので、台風並みの強い風が吹く様です。実際に爆弾低気圧によって高波や船の転覆、局地的な大雪など、過去に数々の災害がもたらされているとのことです。季語のイメージと随分違いますね~。
台風は、夏から秋にかけて日本を襲う嵐ですが、爆弾低気圧はおもに冬から春にかけて日本を襲う嵐といえます。
冬から春への境目であるこの時期、低気圧の通過に伴って暖かい春疾風が吹いたあとは、また冷たい冬のような気温に戻ります。しかし、春疾風が繰り返し吹くことで、次第に暖かくなっていき、春本番を迎えます。