無想庵コラムCOLUMN

鉄線(テッセン) 六月の茶花

鉄線(テッセン) 六月の茶花

テッセンは、キンポウゲ科に分類される、つる性の多年草です。クレマチスの原種の1つで、中国に自生しています。テッセンカゼグルマという原種を元にした園芸品種が生み出されたため、クレマチス全体のことを「テッセン」と呼ぶ場合もありますが、正しくは1つの品種(原種)のことを指します。 鉄線葛、鉄線蓮とも呼ばれることがあります。

鉄線というくらいですから、蔓は無茶苦茶丈夫です。その蔓を伸ばし、草丈は1~3mにまで生長します。春になると6枚の花びらをつけた8~12cmほどの大きな花をたくさん咲かせます。花色はもともと白や紫しかありませんでしたが、品種改良が進んだことでピンクや赤など、カラーバリエーションが増えました。葉っぱには、ギザギザとたくさんの切れ込みが入ります。 テッセンは春から初夏にかけて花を咲かせますが、5~6月頃が見頃の季節で、お茶席にもその頃によく登場し、青紫や紫、白、複色などのきれいな花びらで見る人を楽しませてくれます。よく似ている(というか仲間の)クレマチスなら、10月頃まで花を咲かせる品種もあります。テッセンの方が少し早めに開花期を迎えています。

ところで、テッセンとカザグルマとクレマチスは見た目非常に似ているので、見分けがつきません。 クレマチスはセンニンソウ属(クレマチス属)の総称 で、テッセンやカザグルマはその原種です。特にテッセンは多くの品種の親となっていることもあり、クレマチスの和名として使われることも多いようです。だから花に詳しくない人(私とか)にとっては混乱するのですね。見分けるポイントは花びらの数で、テッセン6枚、クレマチス4枚、カザグルマ8枚と覚えています。基本一重ですが、テッセンだけ八重があるので、それだけで頓珍漢な発言はだいぶ防げると思います。

テッセン
カザグルマ

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