無想庵コラムCOLUMN

桔梗(ききょう) 九月の茶花

桔梗(ききょう) 九月の茶花

桔梗はキキョウ科の多年生草本植物です。 桔梗は古くから親しまれている植物で清々しい青紫色をしている星形の花ですが、他にも白色や淡いピンク色の花があります。元々は一重咲きの花ですが、品種改良が進んで八重咲きの品種なども出来、種類も増えてきました。

桔梗の蕾は咲く寸前までふんわり膨らんで紙風船の様な形をして 五枚の花びら同士がくっついています。 日本全土に分布しているので、馴染みのある花だと思います。日本だけでなく朝鮮半島や中国、東シベリアにも分布しているそうです。

草丈は15~150cm、開花期時期は5月中旬~9月頃ということで夏の花ですが、個人的経験では、何故か真夏の茶席やお稽古の記録を調べてみても、お見かけしたりした機会が少なかったです。(地域によって違うのかも知れません。)八月後半から九月くらいのちょうど今頃に、お茶席で拝見したり、お稽古の席に荘られたりしています。分布地域も広いことから分かるように、真夏日でも生育が衰えず、-10℃の寒さにも負けない丈夫な植物です。見かけは可憐ですが…。

親先生が自宅で栽培されている桔梗をお使いされているので、上記の季節感ですが、実は現在では花屋に並ぶ桔梗はは栽培されているもので初夏の早咲きの種が多いらしく、本来の時期に自生で咲く花は、ほとんど見られなくなってしまった絶滅危惧種だそうです。こういう話を聞くと、良い先生に当たったと改めて感じますし、環境に感謝です。

桔梗は万葉集のなかで秋の七草と歌われているのをご存知でしょうか?

秋の七草はの始まりは奈良時代、山上憶良が万葉集で詠んだ和歌が由来とされてます。  「秋の野に咲きたる花を指折りかき数ふれば七種の花 」内容は 秋の野に咲いている花を、指を折って数えてみれば、七種類の花がある といった内容でしょうか。

因みに万葉集の中でで歌われている「朝がほ」と詠まれているのは現在の朝顔のことではなく桔梗)の事をそう呼んでいたそうです。利休の有名な逸話で出てくる朝顔はだったのでしょうかね?

秋の七草は観賞用として生けられるのが一般的ですが、実は薬効もあるようです。 (芒(ススキ)は薬効はなく、それ以外の6種は薬効があるそうです。)昔は薬という認識だったのではないでしょうか? 秋の七草よりも馴染みのある春の七草ですが、春の七草は平安時代に始ったらしいので、秋の七草の方が歴史が長いですね。

では、秋の七草を覚え方と共に列挙させていただきます。私も中々覚えることが出来なっかったのですが、LOVEGREENというサイトに載っていた記事のお陰で覚えましたので、併せてご紹介致しますね。

秋の七草の簡単な覚え方は植物の頭文字をとって『おすきなふくは』と短縮して覚えると覚えやすいとのことです。

①女郎花(オミナエシ)、②芒(ススキ) 、③桔梗(キキョウ) ④撫子(ナデシコ)、⑤ 藤袴(フジバカマ)、⑥ 葛(クズ) 、⑦ 萩(ハギ) です。

みなえし(女郎花)」「すき(尾花)」「きょう(桔梗)」「でしこ(撫子)」「じばかま(藤袴)」「ず(葛)」「ぎ(萩)」。

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