福寿草 一月の茶花
福寿草(ふくじゅそう)
別名、元日草とも朔日草(ついたちそう)とも言います。旧暦の正月(今の2月1日頃)に咲き、元日に用いたのでそう呼ばれるようになりました。今は新暦なので、本来はもう少し遅い時期、2~3月頃咲くものですが、名前が新年を迎えるに当たり縁起が良いので1月の茶席に椿や南天など他の茶花と共に床を荘ります。花の大きさは3センチくらいなのでそんなに大きくないので、花入れの根締めに使われるのが多いでしょうか?
根締とは花入の口の辺りがスカスカに見えないように、花を配置することです。右の写真でいうと黄色い花。(同じ黄色がですが、福寿草ではないです。多分菊)
朝咲いて、夕方萎む一日花で、茶花には持って来いですね。ただし、先ほども書いたように、本来2月の花なので、自宅で育てて正月に使うには簡易の温室を作って育てないといけません。光や温度に非常に敏感で、 昼間でも日がさえぎられると 1~2分で花がしぼみ、 再び日があたるといつの間にか花が開くらしいです。 なんとこれは、福寿草が寒い時期に咲くので、花びらを開閉することで 花の中の温度を 下げないようにしているらしいです。不思議ですね~!!
俳句にも福寿草は沢山詠まれています。大御所の作品を少しだけ紹介します。
- 「朝日さす 老師が家や 福寿草」 与謝蕪村
- 「日のあたる 窓の硝子や 福寿草」 永井荷風
- 「水入りの 水をやりけり 福寿草」 正岡子規
冒頭にも書きましたが、福寿草の花と南天の実と取り合わせて「難を転じて福となす」という縁起物の飾り付けがされることがありますし、名前が超めでたい ですよね!?幸福と長寿を掛け合わせて、福寿ですから。