龍田姫 十一月の銘
秋の季語でもある龍田姫(竜田姫とも書きます)。紅葉が美しくなり始める十月下旬から十一月には、山は紅葉色に染められ、正に錦秋という言葉がピッタリの季節になりますね。
龍田姫をご存じの方もいらっしゃると思いますが、一応説明させていただきます。 龍田姫( たつたひめ )とは「延喜式」にみえる女神のことです。 大和(奈良県)の竜田山の女神で、斑鳩(いかるが)町の竜田神社に祭られています。 奈良の西にあたるところから五行説の影響をうけて秋を司る神とされています。春を司るのが佐保姫(さほひめ)とされ、対比されているのは有名です。
「竜田姫 たむくる神のあればこそ 秋の木の葉の幣と散るらめ」 と古今集にも詠まれていて、紅葉の女神と昔から言われています。
奈良県の三郷町は、万葉の時代から大阪と奈良を結ぶ交通の要所として栄えていて、たくさんの歴史的遺産が存在しています。三郷町内には、万葉集に詠まれた歌が30首近くもあると言われています。すごいですね~!
平城京の西に位置する龍田山は、古くから紅葉の名所として有名だったため、その美しさから“秋の女神が住む山”と信じられて来たそうです。
因みに右の写真は、その三郷町のイメージキャラクターの竜田姫の着ぐるみです。貸し出しもしてくれるみたいです。別に三郷町の宣伝をするわけではないのですが、ここの町営屋外プールには、 大阪からも行ける距離なので、 昔は子供を連れてよく行ってました。スライダーと流水プールがお安く利用できたので楽しかったのを覚えています(今はどうか知らんけど…)。お茶を始める前の話なので相当昔ですが…。
さて、肝心の銘のお話ですが、茶杓や棗、主菓子によくつけられている銘です。私の物ではないですが、竜田姫と銘つけられたお茶杓です。主菓子の方は三年くらい前に紹介しましたが、川端道喜さんの龍田餅ですとか、きんとん製のお菓子などこの時期になるとお茶席に登場します。
龍田姫をイメージを表現した龍田餅 です。