無想庵コラムCOLUMN

山呼萬歳声 八月の掛け物

山呼萬歳声 八月の掛け物

山呼萬歳声(やまはよぶ ばんぜいのこえ)

出典は『漢書・武帝記』です。黄檗宗のサイトによると、

中国の四大名山でもあり、少林寺がある崇山(すうざん)に、山の神を祭り、国家の鎮護を祈念する為、漢の武帝が赴きました。臣民一同が武帝を祝して「万歳」と叫びました。

それが五岳の山々にこだまして、「万歳(ばんぜい)、万歳(ばんぜい)、万々歳(ばんばんぜい)」と大きく三度聞こえたといわれてます。この故事により、目出たいときには「万歳」と呼ぶ習わしになったそうです。

現代では、「ばんざい」と読みますが、禅的な読み方は「ばんぜい」と読むようで、一部のサイトではばんざいと言っていますが、茶席ではばんぜいと呼んだ方が良いです。また私は「やまはよぶ」と習いましたが、「さんこばんぜいのこえ」と読んでも正解です。「万歳」のことを、「山呼(さんこ)」というのも、ここからきています。

また、禅としての解釈は、さらに深く解釈していて、歓呼の声がこだまして「万歳」と聞こえただけではく、山そのものが「万歳」と見るのです。
晴れであろうと、雨であろうと、風が吹こうが、どんな暴風雨がこようとも、山はいつも泰然自若として少しも動ずるところなく、堂々として静かで雄大です。その雄大な姿こそが光り輝く仏の姿であり、悟りの真実でなくて何でしょうか。雄大な自然が、「万歳、万歳、万々歳」と仏の命を吐露とろしているのです。山だけではなく、川も海も、石も木も、虫も鳥も、事々物々、万々歳と叫んでいると解釈されています。。

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