無想庵コラムCOLUMN

寿山 一月の銘

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寿山(じゅざん)

めでたい年、また、長寿をたとえていう言葉です。 やはり一月は新年を迎えて、お目出度い言葉の銘がついているお道具がよく使われます。

道具の第一とされる掛け物にもこの寿山は登場します。

寿山萬丈高(じゅざんばんじょうたかし)
寿山とは、長寿や業の長久であることの象徴ですが、
それが高きこと万丈であるということから、その目出度さをさらに強調しています。
永遠の生命のあることを自覚することが大事だとの教えであり、また命あることがそのまま「寿」であるという教えです。

還暦祝いなどの長寿祝いに日ごろの感謝の気持ちと、いつまでも長生きしてほしいという願いを込めて、賀寿のお祝いととしてお茶席にお客様をお迎えする時にこの「寿山」という銘は中々良いのではないでしょうか?。

茶杓にもよくこの寿山と言う銘が付いているものが売られています。ただし、掛物も寿山、お道具も寿山では銘が被るのでダメですよ。茶道の道具組では銘や意味合いが被るのはタブーみたいです。理由ははっきりきいたことは無いのですが、くどいからでしょうか?確かに侘び、謙虚という心持からすれば、良くないのは何となくわかります。

今更ですが、還暦(かんれき)は60年で十干十二支(じっかんじゅうにし)が一巡してもとの暦に還ることに由来している言葉です。因みに還暦と言えば赤いちゃんちゃんこですが、それには赤子に戻りもう一度生まれ変わって出直すという意味があるそうです。

また、この銘を「ことぶきやま」と読んでもいいのですが、台湾にある寿山(ことぶいきやま)という昭和天皇が皇太子時代に訪れ命名されたと言われる山が有りますが、それとは無関係です。

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