無想庵コラムCOLUMN

送り火 八月の銘

送り火 八月の銘

送り火

送り火とは、お盆の行事の一つで、お盆に帰ってきた死者の魂を現世からふたたびあの世へと送り出す行事のことです。規模は様々で、家庭の玄関先や庭で行われるものから、地域社会の行事として行われるものまであり、大規模でかつ有名なものとしては京都の『五山の送り火』が在りますよね。どうやらこの送り火にも、山の送り火と海の送り火の2つがあるようで、五山の送り火は山の送り火という事になります。

上の写真は、夏の夜空を彩る「京都五山送り火」の写真ですが、お盆の精霊を送る伝統行事です。東山に大の字が浮かび上がり、続いて、松ケ崎に妙・法、西賀茂に船形、大北山に左大文字、そして、嵯峨に鳥居形が点ります。これら5つの送り火はすべて京都市登録無形民俗文化財だそうです。(知りませんでした…)
公式サイトに拠ると、点火時間は20時に大の字が点火し、5分おきに次々と上記の順に点火していきます。各山とも点火時間は約30分間だそうです。(気象条件によっては点火時刻を変更する場合もあるそうです)

大文字は市内中心部のどこからでも眺望できる位置ですが、一説には昔、足利家が最も眺めのよいように―条通を正面にした、京都御所の池泉に映るようにしたといわれているそうです。

送り火があるという事は迎え火もあって、この迎え火はお盆の初日(迎え盆)、送り火はお盆明けの日(送り盆・お盆の最終日)にやります。 2023年(令和5年)の場合ですと、迎え火が8月13日(日)、送り火は8月16日(水)になります。

茶道でも、茶杓などのお道具の銘に送り火という言葉は付けられることがあります。先祖供養のために竹から削り出した自作の茶杓やお盆の時期に買い求めたなどが銘をつけた理由が多いでしょうか?銘は季節や風習などに関連する言葉が多いので日本文化を理解していく上でも稽古の時に銘をつける練習は欠かせません。

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