釣舟草 十月の茶花
釣舟草(ツリフネソウ)
北海道~九州に分布していて、日本全国で見られます。ツリフネソウ科の一年草で、山麓の湿地や小川の縁などに自生しています。花の様子が、吊り下げられた帆掛け船に似ているのでツリフネソウ(吊舟草/釣船草)と名付けられました。(表紙の花の写真が正にそう) 花期は八月から十月です。ただ近年の猛暑では流石に夏真っ盛りには花が咲かないようで、九月下旬から十月に茶室に荘ります。
釣舟草は、紫紅色の花が数個集まって咲くので、ムラサキツリフネという場合もあります。仲間には 黄色の花が咲くのがキツリフネ、白色のシロバナツリフネソウがあります。他にもヒマラヤ原産で花がピンクと白の二色になる (下の写真)ゲンペイツリフネソウ という品種もあります。ホウセンカという花を聞いたことがあると思いますが、こちらは釣舟草を品種改良した園芸品種でホウセンカも釣舟草の仲間です。
花の説明は難しいので、ネットの記事を参考にします。
茎は柔らかで断面は丸く、節々は膨らんで枝分かれが多いので、右のように群生します。葉は長さ6~15センチで3~7センチの菱形に近い卵形で、縁にギザギザがあり、茎から互い違いに生じています(互生)。草全体に毒性のヘリナル酸を含みんでいるため食べられません。
花期になると茎の先端に、長さ3~4センチほどの紅紫の花が数輪ずつぶら下がっています。花は見る方向によって印象が変わりますので、説明するより写真を見てもらう方が分かり易いと思います。
茶室での用い方は、柱に籠の花入れを掛けてムクゲやホトトギス、秋海棠などと生けたら、独特の花形も活かされると思います。