三冬枯木花 二月の掛け物
三冬枯木花(さんとう こぼくのはな)
三冬とは、冬の三か月のことで、真冬を言い表しています。枯木花は枯れ木に花が咲いていると言う意味です。
この句には対句があって、九夏寒厳雪(きゅうか かんがんのゆき)が上の句です。九夏とは夏の90日、つまり真夏の事で、夏なのに寒巌、物凄く寒くて凍り付いた岩に雪が積もる様を表しています。
どちらもあり得ない話ですよね?夏に雪で、真冬に花が咲くなんて自然現象としてはあり得ないと思いますが、逆に夏に雪が降ったとしたら、涼しげですし、雪間に綺麗な花が咲いていたらなんだかほっと心温まる気持ちになれるのではないでしょうか?
禅問答には、こうした相矛盾した話がいっぱい出てきますが、常識とか非常識、分別の有るなし、もしくは可能不可能と言った二元対立的な世界を超越したものが禅の境地なのかも知れませんね。正直、私にはよく理解出来てないのですが…。