無想庵コラムCOLUMN

洗心 十一月の銘

洗心 十一月の銘

洗心(せんしん)

洗心」の意味を理解するのは、色々解釈が出来て難しいですね。文字通り、心を洗うことですが、穢れや煩悩、不純な思いを取り除き、純粋で清らかな心になる事が文字で説明する場合の説明になるかと思います。

宗教的に解釈すれば、修行や祈りを通じて心を清めていくことですし、悟りを得る事がそうだと思いますし、私たち一般人の日常では悪い考えや行動をとってしまったときに心を入れ替えて反省するという行為を指すのだと思います。

旅先で素晴らしい風景に出会い、心が癒され、浄化されたような気になるのも洗心でしょう。

ただ、私個人としては炉開きのこの月に「洗心」を選んだ理由は、初心に戻り、人を尊び、きらめき生きる様を目指したいという想いからです。

十一月はお茶の世界では、風炉から炉に変わる「炉開き」と言い、お茶のお正月です。年を新たにするに当たり、今一度初心に戻り、毎回の点前やお稽古を通じて、内省し、自らの心を浄化して日常の雑念を取り払って心を澄ませていきたいと思います。お家元がおっしゃる「茶の湯を通して心を整える」の実践にも繋がるのではないでしょうか?

茶杓などお道具の銘にもつけられていますし、タイトル写真の様に掛け物の禅語としても「洗心」が愛用されています。

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