無想庵コラムCOLUMN

花曇 四月の銘

花曇 四月の銘

花曇(はなぐもり)  

春の季語で、桜の咲く頃に、空が薄く曇っていることをいいます。 《広辞苑・第五版》  

桜の咲く頃になるとついつい、「花」という言葉が着く言葉が思い浮かんで しまいます。うっすらと雲が青空を覆う薄曇。桜の花の咲く頃の薄曇りですから、暖かい曇りの情景が目に浮かびます。

小説の題名にもよく使われていることばです。

銘というのは、一種の愛称みたいなものかなと思いますが、茶道具の銘はどうやってつけられるのか調べてみました。その道具の形や色合いや特徴からインスピレーションを受けて表現されているものだと言えます。

銘をつけることを一般化させたのは、小堀遠州という大名茶人ですが、彼の場合は和歌の語句から採った歌銘をつけるのがすごく上手だったようです。例えば中興名物である古瀬戸肩衝茶入の『可中(わくらば)』というものがありますが、釉薬の姿をわくら葉(病気の葉)に見立て、『古今和歌集』の歌からこの銘をつけたと言われています。

特徴を銘をつけることでさらに強い印象つけをして、価値を増幅させていると言えるのではないでしょうか?

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