下萌 2月の銘

下萌(したもえ)
これは、冬枯れの地面から草の芽が顔をのぞかせる様子をいいます。
意味を解説しますと、
まだまだ外気は冷たいが、草はいち早く春の気配を感じ取って、萌え出る。
寒さに身も心もかじかんでいた人間も、立春が過ぎるあたりから、なんとなく背筋が伸びるような気分になって来る。
そういう春の感じを象徴的に表すのが「下萌」という季語です。
俳句や連歌にもよく出てくる題材で、有名な句としては 星野立子の
『下萌えぬ人間それに従ひぬ』という句。
星野立子という人は、有名な俳人である高浜虚子の次女だそうで、虚子は「ホトトギス」を長男の高浜年尾に継がせましたが、俳人としての天稟(才能)は、この立子にありとしていたようです。
『水牛歳時記』