どうして?節分におたふくのお菓子が出るのか?
2月3日は節分の日です。
なので今週のお茶のお稽古の主菓子はおたふくがモチーフになっています。
節分といえば、「鬼は外!福は内!」の掛け声でおなじみの豆まきが皆さん思い浮かぶと思います。
鬼は様々な物語にも登場して馴染み深いですが、あまり出てこないのが「お多福」さん。
おたふく風邪の由来でもある、白塗りで両頬がふっくらしている女性がお多福さんですね。
節分の福豆の付録などに鬼のお面とともについていることもありますが、あれってなぜなのか気になりませんか?お多福は別名、おかめとも言います。
おかめとは里神楽(さとかぐら)(民間の神楽)に使われる中年女性の道化面のことで、日本の昔から存在するお面です。
特徴は鼻が低く、額(ひたい)やあごが平らで、ほおが丸く出っ張って下膨(しもぶく)れ。目が細く、色白で、どこか色っぽいうえに愛想のよい福々しいお顔ですね。
お多福(たふく)ともよばれ、正月の縁起物の熊手(くまで)などに飾り着けられたりしています。(出典:コトバンク)
お多福の呼び名の由来は、所説あり元々は頬が丸く膨らんでいる様から、「河豚=フグ=ふく」という説や、お多福の字のごとく、福が多いという意味の説もあります。
しかし、なぜ、お多福というお面が節分に登場するのか気になるところですね。次項でその由来を紹介します。
節分にお多福が登場する由来は、豆まきの時の「鬼は外!福は内!」の福に由来していて、たくさんの福が家にやってきますようにという意味が込められています。
豆まきといえば、鬼を追い払うことに目的意識のイメージが強いかと思いますが、実は節分の本来の意味は福を呼び込む習わしとなっています。
つまり、お多福あっての節分となるわけです。
ところで、節分には先述したとおり鬼が登場しますが、鬼とお多福の関係性に関しては、狂言の物語においての登場キャラクターとなっていてお多福が悪さをする鬼に説教をして改心させるという狂言の物語に由来するそうです。
暴れまわる鬼たちに豆まきで追い払ったものの、豆が尽きると再び鬼が暴れまわり手に負えなくなり、そこへ救世主としてお多福が現れます。
そして、お多福は優しいほほ笑みで鬼の怒りを鎮めると同時に優しく諭し改心させます。
自分の素行の悪さを反省した鬼は、お多福に打出の小槌を差し出して舞いを披露した後、おとなしく去っていきましたとさ。
つまり、実は鬼は豆まきだけでは追い払うことができなく、最後の頼みの綱としてお多福さんが登場するわけです。お多福なしでは本当の福は訪れないということでしょうか?
この話を聞いて、節分にお多福さんをモチーフにすることが納得いたしました。