人間好事節 三月の掛け物
人間好事節(にんげんのこうじせつ)
出典は『無門関』という無門禅師の書籍(言語録)です。『平常心是道』と言う禅語はご存じの方も多いと思いますが、その言葉にインスパイアされて無門禅師が、書いた詩?(偈(げ)というそうです)です。
ちょっと長いですが全文を掲載したいと思います。
春有百花 秋有月 (春に百花有り、秋に月有り)
夏有涼風 冬有雪 (夏に涼風有り、冬に雪有り)
若無閑事掛心 (若(も)し閑事の心頭に掛くる無くんば)
便是人間好事節 (便(すなわ)ち是れ人間の好事節)
前半は四季の自然の美しさを歌っています。次の閑事(かんじ)というのがお金とか地位や名誉など世俗的な我欲を指しています。我欲で心が奪われていると自然の美しさをまっすぐな素直な心で見ることが出来ないと諭しています。
我欲などを捨て、何が起きてもどんな状況になっても良き日と受け取る心の余裕があればどんな日も好事節であるという意味です。『日々是好日』と同じ意味だと解釈できます。