無想庵コラムCOLUMN

十六夜 九月の銘

十六夜 九月の銘

十六夜(いざよい)

十六夜(いざよい) とは、満月の翌日を指します。旧暦の16日の月を指した名称で伝統文化、文学、美意識に深く結びついた言葉です。茶道では季節感や風情を表す言葉が銘になるので、茶杓や月をモチーフにした、もしくは何となく満月をイメージしてしまう道具に付けたりします。(正確には満月の次の日ですから、微妙に欠けているはずですが、そこが不完全の美意識という茶道ならではの美的感覚に合うのでしょう。)月を愛でるこの時期に行う茶会の趣にはぴったりの銘です。

なぜ十六夜を「いざよい」と読むのか?ちょっと調べてみました。「いざよい」と言う言葉自体がためらうという意味を持つそうです。満月からほんの少し欠けた状態を表しています。完全でない満月、この控えめでありながらも輝いている月の姿が茶道の「侘び、寂び」の精神に繋がっているので、銘に使われているのだと思います。

秋は月見の季節ですから、お道具やオリジナルの和菓子がある時などは「十六夜」という銘はピッタリなのではないでしょうか?

コメントを残す

記事に関するご質問やご意見などありましたら下記のフォームよりお気軽に投稿ください。