山茱萸 三月の茶花
山茱萸(さんしゅゆ)
山茱萸は、ミズキ科の落葉小高木に分類されている樹木です。中国原産で、春先に葉が出る前に黄色い花を咲かせ、秋にグミに似た赤い実をつけます。別名をハルコガネバナ(春黄金花)とかアキサンゴ、ヤマグミなどとも呼ばれています。春の季語として使われています。昔から日本人には馴染みの樹木だったのですね。(私は茶室に飾ってあり、名前を教えてもらって初めて知りました。)今では、庭園樹や公園樹として多く植栽されているようでメジャーな樹木という事になります。万博公園にもありました。
10月中旬 – 11月には実が赤く熟し、グミの実に似ています。 果実には薬効があり、生薬に利用されていて漢方など薬用にされています。 生食はできないみたいなので、間違ってもつまんで食べないようにお願いします。私は食べていませんが、ネット記事に拠ると味は甘く、酸味と渋みがあるそうです。
またこの果実が漢方に使われていることから原産は中国か?と想像していたら珍しく当たっていました。(笑)
山茱萸は漢名(中国植物名で発音はAIにでも聞いてください…)で、そのまま音読みにしたのが和名の由来でそうです。日本名の別名ハルコガネバナ(春黄金花)は、ちょうど今頃の早春に、葉がつく前に木一面に黄色の花をつけることからついた呼び名日本植物だそうです。学者の牧野富太郎が山茱萸に対する呼び名として春黄金花を広めたのだとか?また秋になると枝一面にグミのような赤い実がつく様子から珊瑚に例えて、「アキサンゴ」の別名でも呼ばれる ようになりました。
葉は有柄で互生し、葉身は長さ4 – 10 cmほどの卵形から長楕円形で、全縁、葉裏には毛が生えているのが特徴です。秋には紅葉します。
花が咲く時期は早春から春(3 – 4月上旬)のちょうど今頃にかけて、若葉に先立って木全体に花を付けます。
樹木は、庭園樹、公園樹、茶道の切り花などの用途で使われています。『花万作』とともに早春に咲く花木の代表として日本人にも親しまれています。洋風の庭よりも和風の庭に、1本立ちで使われることの方が多いようです。 サンシュユに含まれる有機酸類が制菌に役立つと考えられているそうです。
10月ごろに赤熟した果実を採取し、熱湯に数分間浸してからザルに上げて種子を取り除き、日干し乾燥させた果肉(正確には偽果)は生薬に利用され、山茱萸(さんしゅゆ)の名で日本薬局方に収録されています。強精薬や滋養強壮、頻尿、 止血、 不眠症などにも効用があるとされているようです。
茶室の花としては、例えば椿と取り合わせてみるのも良いと思います。右の様にシンプルに生けることが出来ますね。