無想庵コラムCOLUMN

日車 八月の銘

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日車(ひぐるま)

八月の初旬は、二十四節気でいうと大暑(たいしょ)に当たります。兎に角、連日猛暑が続いていますね!今年は特に暑く感じます。梅雨もいつも間にか開けているみたいですし。四季を五行説に割り当てると、ちょうど「」が余ってしまいます。そこで、季節が変わる前の18日間をそれぞれ「土」を割り当てました。これが雑節の「土用」です。夏の「土用」の期間はほぼ大暑の期間と同じです。この期間にある「丑」の日が、皆さんご存じの「土用の丑」の日です。

今のような異常気象でない江戸時代でも暑さ真っ盛りの時期であったのは間違いないでしょう。土用の丑の日にウナギを食べる風習は、昭和に入ってウナギ屋さんが考え出した風習ですが、根拠はこんなところから来ているんですね。

さて、今月の銘は「日車」です。丸い輪のような花形から付いたといえば想像付きますでしょうか?そう夏と言えばこの花「向日葵」です。中々茶席では向日葵が荘られることが無いですが、お茶碗や香合など焼き物にはこの向日葵は意匠として用いられています。向日葵の絵柄にこの銘を付けるのは野暮と言うものですが、茶杓や楽茶碗に夏をイメージして「日車」と付けるのは有りだ思います。「日車」と言われて向日葵とすぐにわかる人は少ないので、銘の由来と共に話題の一つになると思います。

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