本来面目 三月の掛け物
本来面目(ほんらいのめんもく)
今回は三月に掛かる軸とはいう訳では無いですが、自分自身を見つめた時(大概上手くいってない時)頭に浮かぶ禅語です。
意味は「本当の自分を見つけましょう」という、ある意味そのまんまの禅語です。禅語にしては全然難解ではありませんね!(笑)ではもし、誰かにこんな質問をされたら、あなたはどう答えますか?「本当のあなたはどんな人?」
普段から本音を隠して周りに対して色々我慢している事が多いから、本当は怒っているんだ。とか、虚勢を張って強がっているから、弱くて臆病な自分が本当の自分?だ、というようことでしょうか?
性別や年齢、職業、家族構成などの属性的な区分けも、表しているけど時間が過ぎるとともに変わって行きますよね?性格ですら、大きな心の変化によって変わることはまま有ります。それに多くの場合、そんなかっこいい特徴やアピールポイントも無いので本当の自分と言えるかも疑問です。
私たちが思っている自分とは、もちろん真実ではありますが、本当の自分の一部分、ある側面でしかないと思います。自分の身体ですら、心臓や内臓を自分の意志で止めたり動かしたり出来ません。気分や感情も、出来た人なら波も小さく穏やかそうに見えますが、感情が無い訳ではなく、メンタルが強いので大丈夫そうに見えるだけですよね?
実は自分の身体も心も、自分の想い通りには出来ないのです。それを自覚することが本当の自分を見つけるのだ!という事を詠っている句です。自分の本質は何かを見つめ、それに気づくことが大切だという教えですね。表面的なものでは無くて、深層にある真の自己とか本質に気付き、それに目覚めることをこの句は教えてくれます。