河原撫子 七月の茶花
河原撫子(かわらなでしこ)
河原撫子は、ナデシコ科ナデシコ属の多年草で、秋の七草の1つです。花の形と言い、色合いと言い、私の大好きな茶花の一つです。後述しますが、本当に撫でたくなるくらい可愛い花です。
別名をヤマトナデシコ(大和撫子)と言います。サッカー日本女子代表の愛称ですよね!良いネーミングです!(サムライジャパンといい)
カラナデシコ(唐撫子)とも呼ばれるセキチク(石竹)との対比でつけられた名前だそうです。単にナデシコ(撫子)とも呼ばれることもあります。
名前の由来ですが、「撫(な)でるようにかわいい花」ということから来ただそうで、全く同感です。 また、古しの名前を「常夏(トコナツ)」と言っていたそうで、確かに花の咲く時期が夏から秋に渡ることからついた名前というのも頷けます。因みにこの花は初夏(5月)~晩秋(10月)くらいまで咲いてくれる花なので、結構使い勝手が良く何度も茶席を飾ってくれます。
野生の物でも紅色からピンク、白色まで花色は多いです。
前述しましたが、河原撫子は 秋の七草の一つで、俳句の季語は秋になっています。 多分これは旧暦とのズレもあるでしょうし、茶道も文学も大概「先取り」なので、秋に分類されているのでしょう。
分類上は、エゾカワラナデシコ(蝦夷河原撫子)の変種とされているようで、 本種河原撫子のほうが萼が長く、苞(花のつけ根につく葉の変形したもの)の数も多いです。花の辞典に拠ると、 属名の Dianthus はギリシャ語の「Dios(ジュピター)+anthos(花)」からきているそうです。「ジュピターの花」という意味で、花の美しさを称えていますね。 種小名の superbus は「気高い」という意味だそうです。外国の方も、この花を高く評価されてきたのが伺えます。
茶席に荘るときも、木槿(ムクゲ)苧環(おだまき)など夏の花にも、またススキやホトトギスなど秋の花にも合いますので、花色や花の付き方などバランスを見れば、使いやすい重宝する茶花です。そういう意味でも推しの茶花です。ブログを書いて5年目にしてやっと紹介できました。