無想庵コラムCOLUMN

淡月 四月の銘

淡月 四月の銘

淡月(たんげつ)

淡月とは 春の薄くかすんだ月のことで、おぼろ月の事ですね。春の季語にもなっています。歌では淡月を「あわづき」と読ませるみたいですけど、銘は古典が基本なので、ここでは「たんげつ」と読んでください。

澄んだ秋の月に対し、春の月は水蒸気のベールがかかったように見えることからそう呼ばれています。

四月の前半、5日から19日までを二十四節気では清明(せいめい)と言いますが、字のごとく清く、明らかな様子を表す言葉。春本番に相応しい呼び名です。8日にある灌仏会(かんぶつえ)、修二会(しゅにえ)も春の銘には持って来いですが、ここは情緒を重んじて淡月を今月の銘としました。

茶碗の釉薬の焼き上がりに拠るイメージから付けることも出来ますし、茶杓の銘にも春に削ったなら使えそうですね。おぼろ月はお茶をしていなくてもだれでもわかりそうですが、淡月と言われたらちょっと会話が生まれそうですよね。

右の茶杓は、 淡煤竹 で削られたもの。淡い煤の感じが淡月を思わせます。

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