紫陽花 六月の茶花
紫陽花(あじさい))
上記の写真は、大阪府池田市にある 久安寺です。「関西花の寺」という花の名所 があるのですが、そこの十二番札所に選定されています。久安寺は一年を通して花を楽しめるスポットなのですが、6月中旬ごろからはあじさいが見頃を迎えます。
中でも有名なのが久安寺の具足池にアジサイの花が浮かべられた景観です。インスタ映えのスポットとしても人気です。(写真をよく見ると池に紫陽花が浮かんでいます)
他にも大阪には紫陽花の名所が結構あります。無想庵のある東大阪市では「府民の森 ぬかた園地」がオススメです。ここは生駒山頂近くにある森林公園で、「あじさいプロムナード」と名付けられた1,500mの遊歩道には、30種以上・2万5,000株の紫陽花が咲き誇っていて、規模は府内随一だそうです。
鶴見緑地公園でも 大池の南側にある「花の谷」では、ちょうど今の季節に紫陽花が見頃です。 ちょっと観光案内みたいになってしまいましたが、それくらい身近な花という事でしょうか。次は紫陽花についてちょっと説明したいと思います。
紫陽花の語源を調べてみると色々あって面白いのですが、その一つに 「藍色が集まったもの」を意味する「集真藍(あづさあい/あづさい)」がなまったものとする説 が自分的には一番しっくり来ています。植物学者ではないので知らんけど…。
花の色がよく変わることから、別名で「七変化」とか「八仙花」とも呼ばれているそうで、 「四葩(よひら)」( 葩は「花びら」を表す言葉) は俳句で好まれている紫陽花の別名です。
身近でよく見かける紫陽花にガクアジサイがありますがその語源は、装飾花が周囲を額縁のように飾ることから、「額アジサイ」と名づけられています。
日本語で漢字表記に用いられる「紫陽花」は、唐時代の詩人白居易がライラックに付けた名なのですが、平安時代の学者がこの漢字をあてたことから誤って広まったといわれています。(結構こういう例は他にもあります。今は思い出せんけど…。(笑))
学名の属名 はHydrangea(ハイドランジア)と言いますが、「水」の意味といういみだそうです。あのシーボルトはアジサイ属の新種に自分の妻「おタキさん」の名をとって Hydrangea otaksa と命名したそうです。星の名前といい発見者はいいですね~。
花(正確には萼(がく))の色はアントシアニンという色素によるものだそうですが、紫陽花にはその一種のデルフィニジンという色素が含まれているとのことです。これに補助色素(助色素)などが加わって、青色の花となるそうです。
驚いたことに紫陽花は土壌のpH(酸性度)によって花の色が変わり、一般に「酸性ならば青、アルカリ性ならば赤」になると言われています。理由はネットで調べてみると、アルミニウムが根から吸収されやすいイオンの形になるかどうかに、pHが影響するためだそうですが、難しくてよく理解は出来ていませんが、とりあえず、紫陽花の色は土に拠るとだけ覚えておきましょう。ということは、花を青色にしたい場合は、酸性の肥料や、アルミニウムを含むミョウバンを与えると良いという事ですね。
同じ株でも部分によって花の色が違う場合を見かけますが、それは根から送られてくるアルミニウムの量に差があるためです。もちろん品種によっては遺伝的な要素で花が青色にならないものもあります。逆に、土壌の肥料の要素によって、窒素が多く、カリウムが少ないと紅色が強くなるそうです。。
また、今まで気づきませんでしたが、紫陽花の花色は開花から日を経るに従って徐々に変化するそうです。お茶席では一日か二日で大概入れ替えるのでしらなかったのですが、参考資料には書いてありました。最初は花に含まれる葉緑素のために薄い黄緑色を帯びており、それが分解されていくとアントシアニンや補助色素が生合成され、赤や青に色づいていきます。さらに日が経つと有機酸が蓄積されてゆくため、青色の花も赤味を帯びるようになるそうです。これはもしらなかったのですが、花の老化によるものであり、土壌の変化とは関係ないそうです。
他にも、花が緑色の品種(ヤマアジサイ「土佐緑風」など)も知られており、お茶席ではこの小ぶりのヤマアジサイがよく使われています。
確かに庭で咲いている大きな紫陽花は外で見る分には良いのですが、床に荘るとなると、ちょっとデカすぎて調和がとりにくいですよね?写真のように籠の花入れを使ったり茶席全体との調和を重視しながらお花を取り合わせて荘ると良いのではないでしょうか?