臘月 十一月の茶花
臘月(ろうげつ)
臘月は椿の一種です。極早咲きの椿ですので、炉開きの十一月の茶席によく用いられています。臘月とは十二月の別名ですので、十二月に取り上げようかと思いましたが、やはり実際に床に荘られるのは炉開きの時期の代表的な椿なので、今月の茶花にしました。
実はこの椿は関西や金沢では臘月と呼ばれているのに、中部地方では盆白玉、関東では角葉白玉と呼ばれているそうです。同じ椿で呼び名が違うのはちょっと珍しいですね。白玉という椿がありますが、蕾の形がピンポン玉みたいなので、白玉と呼ばれているのに対し、臘月は蕾が真ん丸ではないので、どうして○○白玉などと呼ばれるようになったのか、私にはわかりません。
臘月は基本、白色で(臘月としてピンク系の花も写真では散見しますが、専門書では白色となっています)、一重咲きです。特徴的なのは咲き始めは筒咲きで徐々に開いていき椀咲きになるということです。葉は厚く、濃い緑色をしていて、付き方に癖があるため、花入れに荘る時は、結構剪定のセンスが問われます。