無想庵コラムCOLUMN

蕎麦饅頭 十二月のお菓子

蕎麦饅頭 十二月のお菓子

蕎麦饅頭(そばまんじゅう)

蕎麦(そば)は、年越しそばなど 師走にゆかりが深い食材です。 そば粉を使用した生地で、餡を包み、それを蒸したものが蕎麦薯蕷。そんな蕎麦薯蕷(そばじょうよ)は十二月の茶席のお菓子としてぴったりです。薯蕷は蒸したお菓子ですが、蕎麦饅頭(そばまんじゅう)は、そこから派生し、蒸す代わりに焼いた和菓子です。最近では、そば粉に加え小麦粉や米の粉などを混ぜた物もあるようです。

つくり方は、先ずヤマノイモ、ツクネイモ、ジネンジョなど の材料の皮を剥き、目の細かい卸し金で 摺りおろします。そして すり鉢で砂糖と練り合わせ細かな気泡を作りながらふくませます。近年では食感を良くするために、ベーキングパウダーなどで膨らませることもあるようです。そしてボウルなどにそば粉を入れ、すり鉢から上白糖とすり合わせた芋を入れてこねあわせます。適度な固さとなったら適量をちぎりとり、餡をつつみます。

幕末にはすでに蕎麦饅頭が作られていたことがわかっています。また「そばは非か、饅頭の皮を薯蕷を以て製す。故に京阪にはじやうよ饅頭と云」(守貞謾稿から引用)ともあることから、薯蕷饅頭から派生したものと考えられています。

表紙の写真は蕎麦薯蕷饅頭で、上の写真が蕎麦饅頭です。焼いた方が香ばしいのは確かです。薯蕷の方が柔らかくて食べやすいと感じる方も多いので、どちらがいいかは好みの分かれるところです。

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