銀杏餅 十一月のお菓子
銀杏餅(ぎんなんもち)
写真は京都末富さんの銀杏餅です。 この時期にしか食べられない『銀杏餅』。
黄色い銀杏の実を、小豆こしあんと共に柔らかい餅生地で包んだだけのシンプルな生菓子です。
銀杏が色づくこの時期、京料理でも堪能できますが、お茶席でも楽しんでもらおうとお持ち帰りで買ったことが有ります。
ところが末富さんの銀杏餅は、餅生地よりも早く、銀杏の実が固くなってしまう超短期賞味期限の菓子です。翌日では美味しさが半減してしまうと思い、このお菓子だけは京都の本店で買って、帰りがけに新幹線の中で味わう…ということになってしまいました。
奮発して高い生菓子買っても、高くて有名なお菓子ほど、案外お茶席には使い勝手が悪い感じがします。京都の人はその日に使えるからいいな~と実感します。
裏千家でも歴代の宗匠のお好みがあるようで、 十一代 玄々斎が好んだものとして道明寺餅というのが有ります。これは餅の中に銀杏を散らし入れ、楕円形に形作っています。砂糖の調味していて、餡はありません。
なんでも裏千家の露地に生えている、宗旦手植えの公孫樹(いちょう)の実を使って作られていたらしいです。
また、裏千家十四代 淡々斎のお好みとして、 白の求肥餅の中に鴨脚樹木(いちょう)の実を散らし込んだ銀杏餅というのがあります。餡は小豆の漉したものが入っています。
今日庵では宗旦忌にこの淡々斎好みの銀杏餅を出すのが恒例になっています。
実際に銀杏餅が近所の和菓子屋で作っていれば、当日朝、買えばよいのですが、作ってない時や、お店もありますよね?
そんな時は意外に簡単に作れるので、ネットでレシピを見て挑戦してみても良いかも知れません。要は『 こしあん25gに 銀杏3個 これを求肥で包む 』最近は大概の食材が売られているのでこの三つなら手に入る可能性大です。
もっともお客様にお出しするには、何度も作る練習して綺麗な形と美味しく作らるようにならないとダメですが…。そこらへんはお茶も同じですね。