麦手餅 五月のお菓子
麦手餅(むぎてもち)
田植え、麦刈りと繁忙期を終えた人々が、豊作感謝のお祝いにつくったのが「麦手餅」だそうです。 穀物が実り、収穫を迎える季節といえば、秋を想像する方も多いかも知れませんが、麦の収穫期は初夏です。ちょうど 今の時期(5~6月)は、麦の実が熟し、麦畑は一面美しい黄金色に染まっています。 田植えも(関西では)GWあたりが作業のピークだと思います。因みに六月のことを麦秋と言うらしいですよ。
もち麦粉が入った餅生地で黒糖味の餡を包み、上から香ばしい麦粉をまぶした素朴なお餅です。最近は、お茶席でもひなびた風情の茶菓子として、初夏の季節に、提供していますが、本来は気取ったお菓子ではなく、庶民のおやつです。 昔は、京都市内やその周辺の農村では、田植えや麦刈りで忙しいとき、昼食代わりや野良仕事の間食に、漉し餡を包んだ大振りで長めの餅を食べる習慣があったそうです。 それゆえ、京都名物と言われるようになったのかも知れません。
いずれにせよ、つきたての餅が味の決め手となるため、「賞味期限はたったの1日」なんだとか…。 スケジュールの関係上、無想庵では主菓子に使ったことがないので、お土産で買うくらいしか出来ません。まだ食べたことがないのですが、想像では外側にまぶしてあるのが麦粉なので、きな粉ほど甘く感じないのかな~と想像しております。(食べたことがある方は教えてください(笑))
因みに赤福餅で超有名な伊勢の赤福さんも麦手餅を作っているみたいです。残念ながらこちらも賞味期限一日…。伊勢神宮にお参りに行ったら赤福餅と麦手餅のダブル買いするしか無さそうですね。どっちも賞味期限が短いので、みんなで分けるしかないだろうけど。