無想庵コラムCOLUMN

外郎 六月のお菓子

外郎 六月のお菓子

外郎(ういろう)

ういろうというお菓子は有名で、誰でも食べたことはあると思いますが、どうして外郎と書いて「ういろう」と読むのか分かりませんでした。というかお茶を勉強するまでは、漢字があるのを知らなっかったのですが…。

ういろうは室町時代に中国(当時は元)からの帰化人が考案したとされています。元の役人であった医薬師の陳延祐(ちん えんゆう)という人が元が滅亡した時に日本に帰化し、中国での役職名に因んで「外郎」と名乗ったそうです。その人が作る「透頂香(とうちんこう)」という薬が万能と高く評価され「ういろう」の愛称で広まっていったそうです。歌舞伎の演題にも「外郎売り」というお話がありますね。そこでも妙薬として登場するほど当時は薬として有名だったのでしょう。

でもそんなすごい薬がどうしてお菓子の名前になったのでしょうか?理由は今も小田原市にある外郎の老舗「ういろう」が薬を作る傍ら、接待用に使うお菓子を考え出したところ、これまた評判になり、そのまま家名がお菓子の名前になったとのことです。小田原にある「ういろう」本店はお城みたいな店構えでランドマークになっているほどだそうで、外郎博物館というのもあるとか!正真正銘の本家本元ですよね!!中々本当の本家は分からないものですが、これは確かに本物ですね。私自身この「ういろう」さんの外郎は食べたことがないのですが、サトウキビと米粉を蒸したモチモチの食感で、白砂糖、抹茶、小豆と素朴な味わいだそうです。小田原行ったら絶対買わなきゃ!

さて小田原以外にも京都や名古屋、山口など全国各地にゆかりの地や名産地があります。 名古屋名物のイメージが定着したのは1964年の東海道新幹線開通がきっかけだそうです。私が育ったのは愛知県ですが、青柳総本家 というメーカーがあります。ここが新幹線の車内販売を行ったことで、全国の人々が名古屋土産として買い求めるようになりました。現在では、名古屋を中心とする東海地方が全国生産の9割を占めるといわれます。

今でも覚えているCMソングがあって、歌詞が印象的で「しろ・くろ・まっちゃ・あがり・コーヒー・ゆず・さくら」のフレーズです。そのため今でも私は“青柳ういろう=7つの味”と思い込んでいます。

実際はどうも違うらしく、コーヒーやゆず味は廃番になったとか。でも子供ながら食べやすく美味しかったのを覚えています。確か「しろ」が好きだった記憶があります。何十年も食べてないので、今食べたら違う感覚になるかも知れませんが、今度小田原のういろうと食べ比べてみたいと思います。

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