漁火 六月の銘
漁火(いさりび)
「漁火」とは 夜、魚を漁船の方へ誘い集めるために燃やすたいまつ、かがり火の類のことで、 元々は”いざりひ”とされ、それが”いさりび”になったとされています。 その当時は松明で燃やし、それがいつからか電気を使った照明が「漁火」となりました。
万葉集にも登場しています。「能登の海に釣する海人(あま)の射去火(いざりひ)の光にいませ月待ちがてり」
茶杓や茶碗に銘が付けられることが多いですが、左の写真は水指です。赤茶色の釉薬の流れ方が松明の灯に見立てられたのでしょうか?時代(時期不明なほど古いという意味)のものらしく、昔はこういうイメージが漁火だったのかもしれませんね。現代では松明もあまり見かける機会が有りませんが、長良川などの鵜飼い漁は今も松明を使っています。