無想庵コラムCOLUMN

お茶の用語辞典(か)

お茶の用語辞典(か)

懐紙(かいし)

小菊紙という和紙で、お茶席では着物の場合、客も亭主も懐中しているものです。お菓子を頂く時に、菓子鉢などから自分の分を取ってお菓子を置いておく取り皿のような役目。他にも茶碗を拝見に回すときに、茶碗を清めたり、残ったお菓子などを包んで持って帰るドギーバッグのような役目も果たせます。お稽古の時も、主菓子や干菓子など頂きますから、必須の持ち物です。洋服の場合は、帛紗挟み(ふくさばさみ)というポーチのような入れ物に菓子切りとともに入れて持ち歩く。使うのは数枚だが束で一帖(いちじょう)丸ごと持ち歩く。

菓子器(かしき)

菓子を入れる器。大きく分けて主菓子器と干菓子器がある。主菓子器にはお重のような縁高や菓子碗など沢山の種類がある。干菓子器の素材は杉や真塗など、形は四方盆、若狭盆などいろいろある。

会記(かいき)

道具の取合せやお菓子、花などが順に書かれているメニューのようなもので、演劇に例えるなら台本でしょうか?

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大寄せのお茶会に行くと、待合の床に置かれています。

その茶会の記録にもなります。昔は「茶の湯日記」とも呼ばれていたそうです。

本来は、亭主の備忘録のようなものですから、お客様に見せることはしませんでした。

しかし、茶席で道具のお話をされても、なかなか一回では覚え切れませんよね。 会記を書き写すことで、道具の名称を覚えたり、その道具の取合せに、亭主の心使いを感じられるようになります。

歴史的にも有名な茶会記として、次の3つはよく出てきます。

『松屋会記』…室町時代の後期から江戸時代前半までの117年もの長い間、奈良の豪商でもあり、塗師でもあった松屋久政から親子三代に渡って書き継がれてきました。
『天王寺屋会記』…堺の豪商である津田宗及から親子三代に渡る茶会記です。68年間続いた会記です。合わせて16巻になります。
『利休百会期』…利休が最晩年に出席したお茶会の記録。一番最後の記録は1591年の1月に徳川家康を招いています。

画賛(がさん)

絵画の主として上部の空白部に書き込んだ詩文を言いますが、お茶では画と文字が両方ある掛け物を指しています。 禅僧が修行を終えた弟子に自分の肖像画に画讃をいれて、弟子に与える習慣が、鎌倉時代以降、禅宗とともに導入され、讃を絵画にいれる習慣が一般化しました。 漢詩が多いですが、和歌、俳句を書くこともあります。(掛け物の)本紙ではなく「色紙形」もあります。 江戸時代には狂歌や俳句の賛があるものも多いです。

菓子切(かしきり)

楊枝とも言い、7センチ程度で材質はステンレス製など様々。主菓子を食べるときに使い、ナイフ&フォークの役目。黒文字が主菓子についてない場合に自分のものを使う。懐紙と共に常に持ち歩く。

会合衆(かいごうしゅう)

戦国時代に都市自治の首長的な役割を果たした評定組織、またはそのメンバーのこと。 千利休が活躍したころの堺はその代表的存在。

灌仏会(かんぶつえ)

お花祭り。 お釈迦様の誕生日、4月8日に釈迦像に甘茶を注ぎ礼拝する法会を指します。仏生会とも言われています。

唐物(からもの)

中国伝来の物の総称。室町時代に舶来した織物や茶道具(茶入とか茶碗など焼き物や唐金など)を言います。格が高い扱いになります。

かぎ畳と通い畳

茶室の中の畳の呼び名の一つで、茶道口から茶室に入り点前座に進むときの通い畳の角のこと。通い畳はお客様が座らない畳で、通り道の畳。

釜蛭釘(かまひるくぎ)

釣り釜を釣るために、炉の真上の天井に取り付ける蛭(ひる)のような形の釘。

いつでも使ってよい釣釜ですが 、良く使われる季節は三月です。

その理由は、二月までは 寒い季節なので釜の蓋を開けたときに湯気がたくさんあがり、暖かく感じるため 大きな釜を使っています。三月なると、春になりも近づき暖かい陽気になって来るので釜を小さくします。しかし、春とはいってもまだ寒いときがありますよね。そこで、釣釜にして釜を持ち上げ炭の火がお客様に見えるようにします。少しは暖かさを感じることでしょう。春の風情をゆれる茶釜で表現しているのです。

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