お茶の用語辞典(ふ)
ふ
・蓋置(ふたおき)…素材としては金属、陶磁器類、木、竹などのものがあり、見立てて転用したものも多く、形は多種多様です。
竹の蓋置は、風炉用は炉用のものより少し小振りです。 竹の蓋置がお点前の写真では良く見かけるので、皆さんにも一番イメージしやすい蓋置かと思います。ただし、使っていい時には決まりがあって、運び点前をする時や小間で 点前をする時(要するに棚が無い時)に 用います。
竹の蓋置には、炉・風炉の別があり、風炉用は「天節」(てんぶし)といい上端に節があり、炉用は「中節」(なかぶし)といい節が真中よりすこし上にあります。節に小さな空気抜の穴をあけています。
竹の蓋置以外で有名なものとして千利休が選んだとされる「七種蓋置」(しちしゅふたおき)があります。
「火舎(ほや)」…火舎のついた小さな香炉を蓋置に見立てたもの。七種の中でも格が最上位の蓋置とされています。必ず共蓋がついていて、釜の蓋や柄杓を置くときは共蓋を裏返して使います。
火舎についている爪が奇数の時はひとつを前にして、偶数の時は2つを前にして飾ります。
「五徳(ごとく)」…五徳を模したもので、輪に三本の柱が立ち、その先端が内側に曲がり爪状になっているもの。格が二番目に高い蓋置とされています。一般に風炉や炉に五徳を使っていない時に用いるのがよいとされているそうです。
「一閑人(いっかんじん)」…井筒形の側に井戸を覗き込むような姿の人形がついたもの。
「三人形(みつにんぎょう)」…三人の唐子が外向きに手をつなぎ輪になった形のもの。一般に3人のうち1人が他と違った服装をしており、これを正面にします。
「栄螺(さざえ)」 「蟹(かに)」 「三つ葉(みつば)」 …説明省略。
・縁高(ふちだか)…お重に似た5段の菓子器。右の写真。詳しくは菓子器の項で。折敷の一種で、折敷の縁を高くしたものをいいます。基本的に料理や菓子を盛りつけてお客様に提供する場合に用います。茶の湯では懐石の後に主菓子(生菓子)を入れる菓子器として使われています。正客から順番に下の段から一段ずつ取り、上の段は次客以降順番に送っていきます。最後にお詰め(一番最後のお客)が送られてきた空の縁高を茶道口の脇に片付けます。その他の使われ方としては「御弁当」や「点心(懐石のお弁当)」用にかぶせ蓋を一段ずつつけて使います。松花堂縁高(しょうかどうふちだか)が有名ですね。
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