荒磯 七月の銘
荒磯(あらいそ)とは、波のうち寄せが激しい磯のことです。 一般的には、あらいそと読みますが、万葉集などではありそとも読みます。 波のうち寄せが激しく、海岸が侵食されやすいため、主に海岸段丘の多い地域に見られます。
お茶の世界でも荒磯という言葉は、道具の銘に付けられたり、右の写真のような荒磯棚というのもあります。地板に透かしの入った板がはめ込んでありますが、この透かしの柄が波を現わしていて、これが荒磯棚と名付られたのです。
他にも薄茶を入れる薄器(棗は薄器の一種ですが、棗だけが薄茶を入れる器ではありません。)やお香を入れて床に荘る香合の意匠として荒磯と名付けられています。下の写真の様に波だけでなく、鯛?鯉?もセットです。
夏の暑い盛り、この荒磯の意匠は茶席を彩る定番です。夏は海!という感じでしょうか?(笑)