寒月 二月の銘
寒月(かんげつ)
寒月とは文字から想像できるように、冬の寒々として、さえわたって見える月のことを言います。俳句の季語にもなっている「かんげつ」。
江戸時代の俳諧師で特に名高いのが、国語の教科書にも出てくる松尾芭蕉、小林一茶、与謝蕪村の三人だと思いますが 、その中の一人 江戸時代の中期に活躍した 与謝蕪村(よさのぶそん)の俳句でも有名な句がありますね。
『寒月や 門なき寺の 天高し』
現代語に翻訳してみると、 「寒い夜、空には冴えわたって輝く月が出ている。門もない小さな寺の上には、澄み切った空が天高く広がっている。」といった感じでしょうか?寒月という言葉を知らなくても、文字だけでイメージ出来てしまうのが凄いところですね!
一年で一番寒さの厳しい2月初め、お道具の銘が寒月と聞くと自然と身が引き締まる思いがします。
鵬雲斎大宗匠のご自作の茶杓にも寒月という銘の茶杓があります。
寒月を銘に使う時は「かんげつ」とばかり言っていましたが、一部では?『かんづき』とも読まれるようです。