無想庵コラムCOLUMN

ハシバミ 十二月の茶花 

ハシバミ 十二月の茶花 

ハシバミ

ヘーゼルナッツって食べたことある人は多いと思いますが、あれは西洋ハシバミの実です。

その仲間が、ハシバミです。英語名は Asian Hazel と呼ばれています。写真では棒の様なものが沢山ぶら下がっていますね。(ちょっと気持ち悪い感じ…)ですが、一見、実のように見えますが、実はこれはハシバミの雄花です。

ハシバミという名前ですが、庭木図鑑によると、葉に皺がある実だから「葉皴み実」と呼ばれたらしいです。他にも果実が針状であることら「針柴実」、鳥が嘴で食む(はむ)ことに由来する「嘴喰」などが転訛したものなど諸説あります。植物や動物の名前なんて昔の人が呼び始めたのが、訛ったり変化して決まってきているので、どれが正しいとかは正直難しいと思いますが、炉の時期に使い、大変特徴的な茶花なので覚えてしましましょう!

葉は長さ6~12センチの広い卵形あるいは円形で、葉の先端は急に尖り、縁に不揃いのギザギザがあるため左右非対称になりやすいとのことです。確かに変わった葉っぱの形ですよね。葉は薄くて葉脈が目立ち、裏面は短毛があって緑白色です。

ハシバミの開花は3~4月。なのでなんで12月?と思われた方もいらっしゃるかも知れませんが、茶花としては、花が咲き葉が茂り、それが枯れてきた時期に使います。花と言っても花びらがあるわけではないので、ピンと来ませんが、(雌花は小さい赤い花を付けます)。雌雄同株で一つの株に雌雄それぞれの花を咲かせています。雄花は黄褐色の尾状で長さは3~7センチ。小枝の上部にある葉の付け根から1~数本が垂れ下がって咲きます。

そして、実が熟すのは10月頃で、クルミやドングリのように堅いですが、生のままでも食用となるので、縄文人はこれを食糧とした可能性が高いそうです。また、果実から採取できる油は燃料となり、平安時代には灯明に用いるため栽培されたという話です。大昔から日本人の生活に深く根付いていた植物と言えるでしょう。

そういうそこら辺にある植物が、侘びの茶では大事にされているので、写真の様に椿と合わせて活けるなど『野にあるように』荘られています。

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