卜伴椿 三月の茶花
卜伴(ぼくはん)
開花期が3月~4月で、椿としては一番最後に咲く種類です。 卜伴(ぼくはん)は、別名月光(がっこう)と呼ばれています。 江戸時代から知られる古典品種でとてもメジャーな花です。 濃紅色の一重咲きの花弁に、白色の唐子咲きで、小輪です。この唐子咲きというのは花芯のおしべ全体あるいは葯(花粉の入った袋)が小さな花弁に変形した椿です。 確かにおしべの部分が普通の椿の形と違いますよね。確かにも白い部分がしゃもしゃとして花びらに見えます。
濃紅の花に純白の中心部がたいへん印象的ですよね。個人的にはこのもしゃもしゃ感が好きではないのですが、卜伴は春の椿の主役みたいな存在ですし、すごく特徴的ですので覚えないわけには行きません。
特徴的な卜伴の唐子部分ですが、自然の物ですので必ずしも白とは限らないので注意が必要です。赤く染まっている様に見えるものもあるし、黄色の花粉が付いたように先が黄色になっているものもあるようです。
椿の見分け方として、開花時期や花の形状とともに葉の特徴もセットで覚えておくと役に立ちます。葉はちょっと細長い楕円形で小さいです。
卜伴の名前の由来ですが、現在の大阪府貝塚市にある願泉寺を再興したとされる卜伴斎了入上人という人だそうです。