都忘れ 五月の茶花
ちょうど五月ころから咲き始め、夏の間楽しめるキク科の花です。一般的には写真のような、濃い青紫色の花弁に中が黄色のコントラストが綺麗で、 小菊に似た可愛い花を咲かせます。 花弁(はなびら)は濃い青紫だけでなく、薄紫やピンク、白などがあります。
花もちが良いので、 夏の茶花に重宝します。 江戸時代から茶花などに用いるため栽培されてきた様で、日本人にとってなじみ深い山野草です。他の花との取り合わせもしやすく、竹や籠、焼き物など、どんな花入れにも似合うので、お花初心者の方でも扱いやすいのではないかと思います。
都忘れ(ミヤコワスレ)という情緒豊かな名前の由来を、調べてみました。歴史はかなり古く、鎌倉時代の順徳天皇まで遡ります。承久の乱を発起し大敗して佐渡に流刑された順徳天皇は、都を偲んで佐渡に咲いていた可愛い花を眺め、都への思いを忘れようと和歌を詠んだという伝説がありますが、おききになったかたもいらっしゃると思います。その伝説から都忘れ(ミヤコワスレ)という名が付けられたとされています。この順徳天皇のエピソードから「別れ」「しばしの憩い」の花言葉が付いたとも言われています。
ですが、本当は深山嫁菜(みやまよめな)が本名らしく、園芸品種に付けられたのが都忘れだそうです。伝説は後付け??でしょうか? 都忘れ(ミヤコワスレ)の原種が深山嫁菜だそうです。本州、四国、九州の山地に自生しています。花びらは、ほんのり紫がかる白色です。花期は5月~6月頃なので、白い都忘れならこちらの方かも知れませんね。 他にも品種は多いようで江戸紫とか浜乙女(ピンク色)という種類もあるそうです。
いつものことながら、花の名前を正確に把握するのは極めて難しいですね~!