一雨潤千山 六月の掛け物
一雨潤千山(いちうせんざんをうるおす)と読みます。 出典「五灯会元」
意味は分かりやすい句だと思います。千山は地上のあらゆる場所を指し、恵みの雨が乾いた土地に潤いをもたらしてくれるということですが、梅雨というよりは猛暑の時期の方がありがたさが伝わるかもしれません。
禅語は季節を唄った詩というわけではないので、仏性的な解釈をするものだとは思いますが、茶席ではその会のテーマを現わしている物が掛け物という位置付けなので、イメージで選んでも良いのではないでしょうか?
梅雨の晴れ間の様なちょうど今の時節に合わせ、蒸し暑い夏日が続く時に、一雨降ってちょっと気温がさがってくれたらいいな~という想いで選んでみました。多くの人にとって雨の日は嫌なものだと思いますが、雨のおかげで草木や作物が育ち、人間も動物も生きていける訳ですから、感謝しないといけませんよね?
茶席に涼感と感謝の心を呼び込むのに、相応しい一幅だと思います。