無想庵コラムCOLUMN

山花開似錦 四月の掛物

山花開似錦 四月の掛物

山花開似錦(さんかひらいてにしきににたり)

碧巌録と中国の仏教書、臨済宗の公案集の中にある一説で禅語のひとつです。この後に『かん水湛えて藍の如し』と続いています。

大龍禅師という偉い禅僧が、「形あるものは滅びると知っていますが、では永遠の真理とは何でしょうか?」という質問に答えた言葉とされています。

『山花開似錦 澗水堪如藍』

錦のように咲いた美しいあの山の花も(やがては散ってしまう)、(流れているようには見えない)藍色の深い谷川の水は、ゆっくりと流れている。この世には移り変わらないものはない。それが永遠の真理である。

この世の中は無常で、不変なものは確かに無いですよね。その無常なものがそのまま永遠の真理であると気づきなさいという教えです。

掛物は漢字を読むのも崩してあるから読みにくいのですが、その意味となると禅語を知らないと全くわかりません。
山花開似錦 は禅語の中でも比較的、掛物に使われることの多い言葉です。

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