無想庵コラムCOLUMN

水上青々翠 七月の掛け物

水上青々翠 七月の掛け物

水上青々翠 (すいじょう せいせいたる みどり)

水上には青々とした水草が浮かんでいる。浮草は流れに任せて漂うが、どこにあってもその青々とした美しさは変わらない、という意味 だそうです。

出典は「禅宗頌古聯頌集」(ぜんしゅうじゅこれんじゅしゅう)という中々、漢字が出て来てくれない難しい書物です。これは宋の法応という方が30年以上の歳月をかけて集めた禅問答や詩を編集したものだそうです。

この言葉の作者は薬山禅師という方で、「水上青々翠  元来是浮薸」意味は上記の通りですが、浮草だけでなく、人間も立場や名声に捕らわれることもなく自由に自らの能力を発揮し、柔軟に行動をできる人なろうというメッセージがあるのだと思います。

ただ字面だけ見ても、夏の盛りには涼しさをを感じさせてくれますし、画賛で水鳥が書かれていると自分も川辺にいるような気持になれます。私の好きな画賛の一つです。

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