無想庵コラムCOLUMN

織部饅頭 十一月のお菓子

織部饅頭 十一月のお菓子

織部饅頭(おりべまんじゅう)

十一月は茶道では、風炉から炉に変わる月で、これを開炉と言い、お茶の正月とされています。開炉には、織部と言う名が付くものを何か一品、茶席で使うのが習わしになっています。大概は織部焼きの茶碗や菓子鉢を使いますが、今回は主菓子として出される「織部饅頭」を取り上げてみたいと思います。

織部饅頭(おりべまんじゅう)は、薯蕷(じょうよ)饅頭の皮の一部に織部焼の緑の釉薬を施したように意匠された饅頭です。井桁や梅鉢などの焼き印が施されている場合も多いです。

ご存じの方も多いとは思いますが、 織部焼とは、茶人・古田織部の指導のもと生まれた美濃焼の一種で、歪な形や派手な文様、深い暗緑色が特徴です。

そして織部饅頭は、この織部焼の釉薬の垂れ具合や躍動感ある筆使いを再現した饅頭です。和菓子の種類としては薯蕷饅頭ということになります。大和芋や山芋、つくね芋などの薯蕷芋を米粉や小麦粉のつなぎに使い、蒸した蒸し菓子です。薯蕷芋は蒸すとふくらむ性質があるため、饅頭の皮はフワッとした食感になります。 私も大好きなお饅頭です。

中には小豆のこしあんが多いですが、中には栗きんとんの栗あんを包んだものなどお店によって様々です。

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