無想庵コラムCOLUMN

莫妄想 十一月の掛け物

莫妄想 十一月の掛け物

莫妄想(まくもうぞう)

妄想と書いて、もうぞうと読みます。莫はなかれですね。「 妄想すること莫れ」ということです。 肉体や心の欲望、未来への不安や執着など、私たちの心を曇らせる最大の原因が思考(妄想)です。 人間意識のある間は常に何かを考えています。仕事やスポーツなど何かに集中している時は、確かに頭は使っていて考えてはいますが、迷いはないですよね?特に気分が落ち込んでいる時なんか、ほぼほぼ、ネガティブな思考で、おまけに自分を卑下しているものです。

不安はこの先どうなるか確定しないから、もしくは自分の望むとおりの結果になって欲しいという欲から出る感情ですが、それをくよくよ考えるても結果に好影響を及ぼすことは無いですよね。

人間は悩んだり、それで苦しんだりしていると、精神的にも肉体的にも疲労が溜まり、実際に健康が損なわれてしまいます。そういうグルグル回る無意味な思考をスパッと断ち切れという喝がこの「莫妄想」なのだと思います。

私もよく妄想したり、起こるかどうかわからない不幸で不安に駆られ、自分の無力さを感じるたびに落ち込んだりしてますが、そういう時は「莫妄想!」と心の中で唱えて集中しようとしています。(失礼ながら)結構役に立つ禅語です。

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