無想庵コラムCOLUMN

葛饅頭 八月のお菓子

葛饅頭 八月のお菓子

葛饅頭(くずまんじゅう)

葛饅頭の発祥は意外にも近年で、明治の初め頃に 若狭地方で生まれました。 その発祥の地といわれるのが、小浜市です。現在では盛夏の時期には日本全国で、葛饅頭や水饅頭が作られていますし、お茶席でも主菓子として葛饅頭が登場します。ですが、この葛饅頭は、もともとは若狭地方のポピュラーなお菓子だったのです。

『葛饅頭』の生地は、ほぼ水といえるほど水分が多いです。(水饅頭も同じ)ですので、暑い日でも喉越しが良く冷たく感じるので、好まれるのですね!でもなぜ京都や江戸ではなく、若狭地方のどちらかというと涼しい土地だったのか?不思議ですよね?

透明な生地の原料となるのは葛と水です。かっては葛は福井県若狭地方の至るところで栽培されていたので、手に入りやすかったのです。また「雲城水」と呼ばれる地下水が豊富に湧き出る地域でもあるので、原料となる葛と水が揃っているからでしょう。現在の葛の生産は、福井県若狭町の熊川地方でのみ行われていて、「熊川葛」と呼ばれる貴重なものになっています。吉野葛、秋月葛”と並んで日本三大葛のひとつといわれています。

名店で作られる葛饅頭は、添加物が無い分、 おいしく食べられる時間はすごく短くて、1時間以内が食べ頃だそうです。 葛のデンプンは劣化しやすくて、時間がたつと透明から白く濁ってしまう上に、硬くなって食感も悪くなるからです。葛自体が傷むというわけではないのですが。

遠方までわざわざ買いに行けないので、ちょっと自分で作れるか調べてみました。まず市販の葛粉と水を鍋に入れて火にかけながら練り、ちょうどいい硬さになるまで、水を足しては練るの繰り返しで生地を作ります。葛に完全に火が通ったら、半球型のカップに生地とあんこを入れて、カップごと水で冷やします。後は20分ほど冷やして固まったらできあがりです。餡も市販の袋入り。 以外に簡単ですね!

さてよく似たお菓子に水まんじゅうと葛まんじゅうがありますが、両者の違いは分りますか?結構混同されていますが、実はあんこと生地の比率の違いにあります。 透明感のある乳白色の部分が大きく、中のあん玉が小さいのが水まんじゅうです。葛粉の中に水に強い蕨粉を混ぜて生地を作っている点も違います。 中のあん玉が大きく、それをうす衣のようにすっきりとした透明感のある生地を 包んでいるのが葛まんじゅうです。

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