青楓 五月のお菓子
青楓とは、楓が若葉から青葉に移る頃の季節を指し、初夏の季語としても使われています。ですので、5月頃を示す場合が多いのですが、菓子の素材によってこの銘を付ける時期が変わるようです。
左の写真は和菓子職人の三納さんのお作りになった練り切りですが、見た目の彩も鮮やかで白と緑のグラデーションが若葉な雰囲気を醸し出していますね。
いつもは上生菓子だけをご紹介していますが、薄茶の時に供される干菓子にも青楓という銘のお菓子があります。(↓下の写真)
これは打ち物と言って、砂糖と寒梅粉などの材料を木枠に詰めて乾燥させた物です。角のエッジがビシッと立っているのは和三盆だけを使用したものです。干菓子の中でも高級品ということになります。
和三盆とは、「盆の上で砂糖を三度『研ぐ(とぐ)』」という日本で工夫された独自の精糖工程から来たもので、国産高級砂糖の一つである。 和三盆糖は、粉砂糖に近いきめ細やかさを持ち、甘さがくどくなく後味がよいため、和菓子の高級材料として使用される。また、口溶けのよさと風味のよい甘さから、和三盆そのものを固めただけの菓子が干菓子の代表格となるほどです。
青楓自体は五月など初夏の季語ですが、夏の盛り8月も同じ銘の主菓子が素材も見た目も変えて登場します。
左の写真は京みずはさんの羊羹ですが、寒天と二種類の餡を三層に重ねた涼しげな感じの水羊羹ですね。