無想庵コラムCOLUMN

鶯餅 二月のお菓子

鶯餅 二月のお菓子

鶯餅(うぐいすもち)

春の訪れを告げるウグイス。 「春告鳥(はるつげどり)」とも呼ばれています。 「ホーホケキョ」の鳴き声で有名ですが、平地で鳴き始めるタイミングがちょうこの時期二月です。大阪では滅多に聞くことは出来ませんが、山に近いせいか何回か聞いたことがあります。 因みに本物のウグイスは緑っぽくなく、茶色系です。緑の羽は同じスズメ科のメジロです。

そんなウグイスに因んだお菓子が鶯餅です。餡を求肥で包みきな粉をまぶした生菓子です。この鶯餅は茶道にも凄く関係が深くて、名付け親が豊臣秀吉とされています。 1850年代頃、豊臣秀吉の弟である豊臣秀長が自分の城である郡山城(現在の奈良県大和郡山市)に、秀吉を招いて茶会を行う時にお抱えの和菓子屋、菊屋治兵衛に茶会のお菓子を用意させました。 茶会では餡を餅で包み、それにきなこをまぶした物が用意されますが、秀吉がそれを気に入り「うぐいす餅」と名付けたのが始まりだそうです。必ずしも餅の形をウグイスっぽくしたわけではないようです。色も写真の様な抹茶色のきな粉では無かったと思われます。現代ではよく売られている緑色のうぐいす餅に使われているのは「うぐいす粉」と呼ばれる「青大豆」を使った緑のきなこか、抹茶をまぜたきなこです。

ウグイス
メジロ

和色で「鶯色」というと緑の濃いオリーブグリーンなのですが、本当のうぐいすの羽に近いのは「鶯茶」と呼ばれる色の方です。

もしかすると、 きなこをまぶされた小さなお餅を見て、秀吉はウグイスをイメージしたのかもしれません。

彩り的には、確かに普通のきな粉よりうぐいす粉の方が春らしく、綺麗ですよね。

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