無想庵コラムCOLUMN

青嵐 五月の銘

青嵐 五月の銘

青嵐(あおあらし)

青嵐とは、ちょうど今頃の青葉の季節に吹く、やや強い風とことを言います。「せいらん」ではなく、「あおあらし」と読みます。五月の上旬頃、二十四節気で立夏(りっか)を迎えますが、茶席でも炉から風炉に変わる大変化の時です。茶席の設(しつら)えも炉を塞ぎ、風炉を据えますので、点前座に座る向きも変わり、点前も変わるので、別世界といった感じをいつも受けます。

俳句の季語としてよく使われたりしていますが、普通の文章にも例えば「山の木の葉が青嵐のせいでものすごく揺られているのがわかる 」みたいに使えます。夏の青嵐に限らず、季節ごとに風を表す言葉が存在していて、先月紹介した春の春一番や春疾風(はるはやて)、夏の東風(こち)とか薫風(くんぷう)、秋の初嵐(はつあらし)、冬の木枯らしなんかも季節が違うだけ、強い風には違いありません。昔の人はこうやって固有名詞をつけて呼ぶことで季節の移り変わりを実感していたのでしょうね。今みたいに梅雨明け宣言みたいなものは無かったですから(笑)

そういえば、私がよく使わせていただいている小山園さん(丸久の方)の抹茶にも青嵐というお茶がありました。(800円らしいので普段使いとか、ちょっと高級な製菓用だと思われます。)

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