無想庵コラムCOLUMN

吉祥 十一月の銘

吉祥 十一月の銘

吉祥(きっしょう)

きちじょうとも読みますね。良い兆しとかこの上なく縁起がいいと言う意味です。幸福とか繁栄全般を指す言葉とも言えます。

右は吉祥柄の水指です。松は縁起が良いとされていますので、鶴とか、富士山とかの図柄は大枠で全て吉祥柄ということになります。お目出度い席に使うと亭主の気持ちがお客様に伝わります。ただ水指には銘は付けませんので、ご注意ください。

茶杓とか茶入で、何かの記念に頂いたときなど銘を『吉祥』とつけさせていただくことはあるかも知れません。

中には茶道具店で銘付きで売っているお茶杓があるようです。私も時々、利用させていただいている四条烏丸にある京都茶道具館さんで売っていました。竹ではないですので、無節になるので、もしかすると真の茶杓になるかもしれません。ちゃんと桐箱入りで書付もありますね。初心者の方は、茶杓が箱が付いているのは不思議に思うかも知れませんが、本来良い茶杓は筒も箱も付いています。利休時代以降、茶杓は筒に入れておくのが通則通例となったいるのです。
茶杓と筒とが同じ竹で、同じ人によって作られ、さらに作者が筒に署名しているものを厳密な意味での共筒というのですが、 筒だけが他の竹で作られたり、筒書が後人の筆であったりするものが多いみたいです。

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