早苗 五月の銘
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早苗(さなえ)
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早苗 とは、 元々、田植え用の稲の苗のことで、 苗代から田へ移し植えるころの稲の若い苗を指しています。 (右の写真→)その瑞々しさに対する美称として玉苗という呼び方もされます。
早苗とか早乙女の「さ」とは田の神のことだそうで、本来の早苗とは田の神に捧げる稲のことでした。
同じく五月によく出てくる銘に「早乙女(さおとめ」というのがあります。早乙女とは古来は田の神を祭る特定の女性のことを指していましたが、田植えに対して女性の労働力が重んじられたことにより、次第に田植えをする女性全般のことを指すようになりました 。現代でも女性の名前に早苗さんていらっしゃいますね。
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茶杓や茶碗、茶入の銘によく使われるのを見かけます。茶入で有名なもので、大名物の小堀遠州愛蔵の唐物丸壺茶入があります。小堀遠州の命名だそうですが由来は不明です。おそらく茶入の形状からイメージされて「早苗」と命名されたのではないでしょうか?写真は本物ではありませんが、本物には箱書きに遠州自筆で「早苗」と箱書きされているそうです。現在は滴翠美術館に所蔵されています。
また茶杓でも「早苗」の銘で有名なものがあります。覚々斎のお作の茶杓で切止の左右とも面取りされていて、茶杓としては珍しいです。