花筏 四月の銘とお菓子
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花筏(はないかだ)
花筏とは水面に散った花びらが連なって流れているのを筏に見立てた言葉で、お茶の世界でも春の季語として道具やお菓子などの銘に付けられています。また 紋所の一つとして筏に花の枝をあしらった図柄のものがあります。棗や茶碗の意匠として桜に流水の図案などで蒔絵されているものが多数あります。
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室町時代の流行歌の歌詞を集めた『閑吟集』1518年には 次のような歌があり、「花筏」という言葉は室町以前からあったと推測されています。
「吉野川の花筏 浮かれてこがれ候(そろ)よの 浮かれてこがれ候よの」
桜で有名な吉野は、吉野杉の産地であり、切り出した杉で筏を組んで川を下る「筏流し」が盛んに行われていました。
写真はSNSでも有名な弘前公園の花筏です。青森県弘前市(ひろさき)にある弘前公園で、ソメイヨシノが散り始める四月下旬のこの時期だけ見られる絶景です。弘前公園の濠沿いの桜並木。その濠を散った桜の花びらが覆いつくし、ピンクのじゅうたんのようになりまさに「花筏」。花びらが変色してしまうため、楽しめるのはわずかな期間だけだそうです。見てみたいです。
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生菓子 花筏
多くの銘は道具だけでなく、茶席での主菓子として多くの生菓子にも銘として使われています。今回も花筏という銘の生菓子をいくつかご紹介したいと思います。(食べたことがないものもありますが…)
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右の写真は、京都で有名な和菓子屋さん川端道喜の花筏という生菓子です。この写真では分かりにくいですが、焼き印されている二つの花びらはそれぞれ陰と陽を表しているいるそうです。(左;白抜きと右;黒べた)桜色に染めたお餅の中にさらし餡が包まれています。
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どちらも同じ花筏という銘のお菓子です。水に流れる花びらを表現されていて、四月にピッタリのお菓子ですね。おいしそう。