無想庵コラムCOLUMN

秋明菊 九月の茶花

秋明菊 九月の茶花

秋明菊(しゅうめいぎく)

秋明菊キンポウゲ科の多年草で、日本や中国に自生しています。日本で自生しているものは中国原産だそうです。地下茎でよく増えるので、写真の様に群生している姿を見かけます。草丈60㎝~1m程度で、白やピンクの花を咲かせます。

秋明菊は菊という名前がついていますが、実はアネモネの仲間です。どうして菊と名付けられたのかよく分かりませんが、恐らく花が咲く時期が9月~11月で菊が咲く時期と同じだからではないかと推測されます。初秋の風が吹き始めた頃から咲き始め、初冬くらいにまで咲き続けます。秋明菊はコスモスと同じように秋を代表する花ですし、菊よりも可憐な印象ですよね。秋の風にそよぐように咲く姿には風情があります。また、京都の貴船に野生種が多く見られたことから貴船菊(キブネギク)という別名もあります。

花色にはピンクや濃いピンク、白などがあります。野生種では濃いピンク色の八重咲きの花を咲かせるものもあり、現在流通している品種の多くは交配された園芸種だそうです。一重咲きや八重咲きなどあり、一見したら、同じ秋明菊とは思えないほど色々な種類があります。

茶花としては、野に咲くように群生で荘ることはなく、格の高い花入れに剪定した花と蕾のついた長い茎を生け、下部に葉を配置すると品格のある茶花になると思います。

また、左の写真の様に、薄など秋の草花と組み合わせて籠花入れに生けても良い感じですね。

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