利休梅 三月の茶花
利休梅(りきゅうばい)
梅という字がついているので梅の一種かと思いがちですが、バラ科のサヤナギザクラ属です。
サクラの後を受けて咲き始めるのが、利休梅(リキュウバイ)という風に書かれていたりしますが、今年の大阪では同時期に咲き始めているように思います。
利休梅と言うぐらいだから茶の湯の千利休と関係しそうな花木ですが、もともとは関係ありません。
この利休梅、原産地は中国で日本には明治末期に渡来しました。なので千利休は安土桃山時代の人ですから、関係ないことがわかります。
渡来した時、日本の和名も正式には梅咲空木(ウメザキウツギ)が付けられました。また別名もあり、梅花下野(バイカシモツケ)、丸葉柳桜(マルバヤナギザクラ)などとも呼ばれています。
今では後から付けられた名前にも関わらず、利休梅があまりにいい名前なので、利休梅でなれれば通用しなくなっているそうです。
高さは2~4メートルになり、狭倒卵形または楕円形の葉が互生します。4月から5月ごろ、枝先の総状花序に白い花を咲かせます。
ちなみにつぼみの状態だと右下の写真のようになります。お茶席ではこの利休梅を、つぼみの状態で使う場合もあります。
この木の特徴としては下記のとおり。
- 日当たりと水はけの良い場所を好む。
- 寒さに強く、東北地方でも育てられる。
- 花が控えめであり、他の庭木とよく馴染む。
- 病害虫の被害が少ない。
割と育てやすい茶葉なのようです。無想庵の庭でも育てています。