清風払明月 九月の掛け物
清風払明月
せいふう、めいげつをはらうと読みます。
情景としては、爽やかな秋風が雲を吹き払って、月を一層煌々と輝かさせている感じでしょうか。払うとは月にかかった雲を払いのけること。出典は「洞山録(とうさんろく)」
対句もあって、名月払清風(めいげつ せいふうを払う)です。清風と名月をひっくり返しただけですが、清風と名月を茶席での客と主人になぞらえて、互いが相まみえ互いの存在を一層引き立たせる関係を現わしていると思われる句ですね。秋の特に月見の季節によく掛かる一行書です。
清風も名月もよく掛物には出てくる語ですが、名月は秋、清風は名月と組み合わされると秋の涼しげな風ということですが、清風動脩竹(せいふう しゅうちくをうごかす)の様に竹と組み合わされると初夏の情景になります。